3PL倉庫は多くの荷主の荷物を扱うため、多くの事柄に対応していかなければいけません。
SKUの複雑化による在庫管理の難しさ、荷主ごとに異なる梱包の対応に追われてはいませんか?
このような物流倉庫の悩みの解決の糸口となるのが、AIです。
物流倉庫のどんな悩みに、AIがどう対応していけるのか、ご紹介していきます。
在庫管理はSKUの複雑化が課題

3PL倉庫では、多くの荷主の商品を扱うためSKUの複雑化が課題です。
SKUが多いと似た商品が多くなり、倉庫のスペースを圧迫していきます。
在庫を抱えすぎると保管コストがかかるだけでなく、作業効率の低下を招く原因となってしまいます。
複雑化したSKUをAIで解決していく方法について、考えていきましょう。
- 出荷優先順位を自動判断
- 在庫回転率から滞留在庫を可視化
- SKUごとの需要予測ができる
- 補充タイミングを最適化
出荷優先順位を自動判断
SKUが多くなり、さらに複数の注文が一気に入ると、どの商品から優先して出荷すべきかの判断が難しくなります。
商品ごとに条件は異なり、「当日出荷しなければいけない」「同じ配送先のまとめ出荷」などに対応するにはAIのサポートがあるといいでしょう。
どの注文をどの順番で出荷するのが1番効率がいいかを、自動で判断してくれます。
在庫回転率から滞留在庫を可視化
SKUが増えると、売れている商品と売れていない商品がでてきます。
よく売れる商品は理解していても、どの商品がどのくらいの期間売れていないのかを正しく把握できている倉庫は少ないでしょう。
在庫過多や欠品を減らすためにも、正しく在庫管理をしていかなければいけません。
AIを活用すればSKUごとの在庫回転率を分析して、滞留在庫を可視化できるようになります。
SKUごとの需要予測ができる
SKUが細かくわかれていると、需要予測が難しくなります。
SKUごとに売れ方が違うので、それぞれ需要予測をしていかなければいけません。
倉庫にある商品をできるだけ循環させ、倉庫スペースの無駄をなくしていくのが在庫管理の目的です。
繁忙期やキャンペーンなど需要がある時期に適切に備えられるようになりますので、欠品などの機会損失を最小限に抑えて対応していけるようになります。
補充タイミングを最適化
AIは過去の販売データから、SKUごとに最適な補充タイミングを予測します。
需要の変動やキャンペーンも考慮できるので、売れ筋SKUを早めに補充するのはもちろん、季節商品やキャンペーン前には売れる時期に合わせて、AIが補充タイミングを提案してくれます。
流通加工は作業管理が課題

荷主ごとに求められる作業管理が異なる3PL倉庫では、ラベルの位置や梱包などのルールをひとつひとつ覚えていかなければいけません。
人の手で作業をするとミスが出やすく、気付かずに発送してしまうと大きなトラブルに繋がる危険があります。
トラブルを事前に防げるよう、以下のようにAIが活躍してくれます。
- 画像認識でラベル貼り・封入ミスを検知
- 荷主ごとの作業ルールを自動管理
- 流通加工の作業量を予測して人員配置
画像認識でラベル貼り・封入ミスを検知
梱包・ラベル貼り・封入の現場にカメラを設置し、作業中の写真や動画をリアルタイムでAIが画像を解析していきます。
ラベルの向きの間違いや張り間違いがあれば、その場でAIがミスを検知してくれます。
ステータスやバッジとしてWMSに記録されれば、現場のスタッフだけでなく管理者も把握できて迅速に対処できるようになります。
荷主ごとの作業ルールを自動管理
荷主ごとに作業ルールが違うと、従来はマニュアルを作成したり、指示書を確認しながら作業をしなければいけませんでした。
AIは荷主ごとのルールや過去の作業データを分析し、作業手順を決定します。
作業端末の画面にその手順が表示されるので、スタッフは迷わず作業できるようになります。
新人・ベテラン問わずにスムーズに作業ができるようになり、人材育成の時間を大幅に削減できるというメリットもあります。
流通加工の作業量を予測して人員配置
セールやキャンペーン、イベントなど普段よりも出荷量が増えるとわかっている時には、多く人員を準備して対応しなければいけません。
SKUによって作業量が異なるため、単純に人員を増やせばよいというわけではありません。
過去の出荷データや荷主ごとの作業量の波を予測し、無駄なく人員配置をしていけると理想的です。
人員を多く用意しすぎると、作業効率が下がり無駄な人件費が増えてしまいますので、AIをヒントに人員配置ができると無駄がありません。
梱包は荷主ごとの対応が課題

荷主ごとに梱包方法が異なりますので、複雑な行程となってしまうのが梱包です。
ミスや遅れがないよう、スムーズに作業を進めていくにはAIをどう活用していけばいいのでしょうか。
- 梱包資材の使用量を予測
- 画像認識で梱包ミスを検知
- 出荷遅延リスクを早期検知
梱包資材の使用量を予測
梱包資材が足りなくなったり、逆に余りすぎたりしていませんか?
商品に合う箱や梱包資材がないと、発送が遅れてしまいますので充分に梱包資材を準備しておきたいものですが、逆に多すぎると倉庫スペースを圧迫してしまいます。
SKUが多いと、どの箱のサイズをどのくらい準備すべきかという判断に、人の労力が奪われてしまいます。
AIができる仕事はAIに任せ、人が注力すべき仕事に時間を割けるようにしていきましょう。
画像認識で梱包ミスを検知
梱包ミスがあると、返品や再発送のコストや人件費がかかってしまいます。
人の目でチェックをしてはいるものの、商品の入れ間違いやサイズミスなどが起こってしまうのは仕方がないのかもしれません。
そこでAIカメラで、商品の種類や数量、梱包状態を分析できるようにします。
WMSデータと照合させると、数量のミスなどの異常に早く気付けるようになります。
出荷遅延リスクを早期検知
AIは倉庫内のデータを分析し、「このままだと出荷が遅れそうだよ」というリスクを早めに教えてくれます。
普段より出荷量が多い、ピッキングが遅れてる、など具体的な遅延理由がわかるので、早めに対策ができるようになります。
ミスやトラブルが起きる前に遅れに対応できるようになります。
売上の損失や荷主からの信頼を失うといったリスクを回避でき、倉庫の安定運営に繋がります。
ピッキングの効率化が課題

SKUが多いと倉庫の管理はもちろん、ピッキング作業も複雑になってしまいます。
ピッキングスタッフが1日に歩く距離は10km以上といわれ、大きな倉庫だと20kmとなる日があります。
この歩行距離を短くできればピッキングの効率が上がるのはもちろん、スタッフの疲労を減らして効率よく仕事ができるようになります。
AIでピッキングをどう改善していけるのか、考えてみましょう。
- 最適なロケーション配置を自動提案
- SKUごとの動線を最短化
最適なロケーション配置を自動提案
倉庫が広ければ広いほど、ロケーションは重要です。
よくでる商品は手前に、というように基本的な対策はできていても、全ての在庫が最適な場所に配置できているかと問われると難しいでしょう。
AIでロケーションを考えていくと、商品の回転率だけでなく、ピッキング動線など多角的な理由から最適なロケーションを提案してくれます。
AIの言いなりになるのではなく、このAIの提案を元に現場のスタッフが動きやすいものを採用していけばいいのです。
SKUごとの動線を最短化
倉庫内をできるだけ短いルートでピッキングしていけるようにするのが、動線の最適化です。
ロケーションを最適化するだけでなく、さらに動線の最適化もできると、より効率よくピッキングができるようになります。
どの順番でピッキングしていくか、どのルートを通れば最短かというのを、AIが提案してくれます。
倉庫内の”歩く”という業務を最短にできれば、大きく生産性を上げられるでしょう。
WMS連携で物流データを活用しよう

倉庫でAIを活用するには、データが必要です。
そこで重要になるのがWMSとの連携で、WMSのデータを整理して共有していくとAIに活用しやすくなります。
- ECカートやモールと注文データを連携
- データマッピングでシステム間の情報を統合
- バッジやステータス表示で進捗を可視化
ECカートやモールと注文データを連携
倉庫内のデータを管理するWMSは、ECサイトや受注システムと連携させることで、AIが分析できるデータを集約できます。
複数のモール型ECから同時に注文が入るので、注文を管理するためにすでにWMSと連携をしている倉庫が多いでしょう。
WMSがあれば、在庫・ロケーション・作業データまで分析可能になるので、よりAIの精度が高くなります。
注文情報・在庫情報・出荷情報などWMSで一元化された情報を、AIで活用していくイメージです。
データマッピングでシステム間の情報を統合
異なる複数のシステムを連携させる場合、それぞれのデータや形式が異なると混乱してしまうかもしれません。
そこでデータマッピングを行い、システム同士のデータ項目を対応づけていきます。
例えば”商品コード”と”SKU”は同じものを示す言葉ですが、文言が異なるため同じものとしてデータを認識できません。
これらを紐づけるのがデータマッピングで、システム間で正しく情報を共有できるようにしていきます。
データが正しく整理されることで、AIによる分析や業務改善にも活用しやすくなります。
バッジやステータス表示で進捗を可視化
WMSとAIの連携で大きく効率化に貢献してくれるのが、バッジやステータスの表示です。
倉庫内の進捗情報をリアルタイムで可視化できるようになるので、倉庫全体の状況が一目で把握できるようになります。
“優先出荷”や”遅延リスク”というバッジ表示をすると、倉庫スタッフ全員で状況把握ができます。
”ピッキング中”や”梱包待ち”というステータス表示は、作業の遅れがわかるだけでなく、どの作業が遅れているのかという細かな状況まで伝わります。
作業の偏りが早く発見できるので現場で早く対応でき、出荷の遅れを防いでいきます。
WMSのない物流倉庫に活用できるAI
AIはWMSでのデータを元に分析を行いますので、すでにあるWMSをさらに活用していくイメージです。
ただし「WMS未導入の倉庫でAIが使えないのか?」と聞かれると、そうではありません。
限定的ではありますが、以下のような使い方であればAIを活用できます。
- カメラAIで梱包ミスを見つける
- 注文データから需要予測AI
- 動線分析から作業分析AI
必ずしもWMSがなければAIが使えないという意味ではなく、小さな倉庫で課題が限定的な場合はいきなりAIを導入してもいいでしょう。
AIでできることを全てしようとするのではなく、倉庫に合わせた課題解決法を探していけるのが理想的です。
物流倉庫×AIに関するよくある質問

物流倉庫にAIを導入する段階で、よくある質問について答えました。
- 小規模な倉庫でもAI導入のメリットはありますか?
- AIを導入すると倉庫スタッフの仕事は減りますか?
- AI導入には専門知識が必要ですか?
小規模な倉庫でもAI導入のメリットはありますか?
AIは大きな倉庫だけのものではなく、小規模な倉庫でも課題が明確であればメリットがあります。
何を改善させたいのか、AI導入の目的が明確であれば検討してみるといいでしょう。
AIを導入すると倉庫スタッフの仕事は減りますか?
AIは人の仕事を奪うものだと誤解される場合がありますが、AIを導入したからといってスタッフの仕事がなくなるわけではありません。
むしろAIを活用していくには優秀な人材が必要で、AIはあくまでも人の仕事をサポートする役割のものとなります。
AIができる単純作業や確認作業はAIに任せて、人が注力すべき仕事に集中できるようになります。
AI導入には専門知識が必要ですか?
AI導入に必ずしも高度な専門知識が必要になるわけではありません。
ただし基本的な知識があった方がよいのは間違いありませんので、AI導入と同時にAI活用研修を行う企業が増えています。
AIを活用するならAI研修を
AIを導入する企業は、導入が最大の壁だと考えます。
しかし本当に重要なのはAIを導入した後であり、どう活用していくのかが軽視されがちです。
AIは導入したら自動的に完璧に仕事をしてくれるものではありません。
道具のひとつであり、人の仕事をサポートしてくれるのがAIです。
AI研修を行い、本当の意味でAIを活用できるような土台作りをしていきましょう。



