JANコードは、各商品に固有の情報を割り当てて表示するためのバーコードの一種で、商品を識別しやすくするために使われています。
本記事では「JANコードとは」について紹介します。
他にも「JAMコードで商品登録するメリット」や「JAMコードで商品登録する際の注意点」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、JANコードについて理解を深めてみてください。
JANコードとは?
JANコードは、特定の事業者が提供する商品を識別するための「商品識別コード」であり、「JANシンボル」というバーコードとしてスキャナで読み取られる形式を持っています。
商品の国や業種、名前、価格など販売時点情報管理(POSシステム)で必要な情報が含まれています。
重複なく商品を識別できるので、レジでの使用だけでなく、受発注管理や在庫管理など多岐にわたる業務でも活用されています。
また、13桁の標準版(GTIN-13)と8桁の短縮版(GTIN-8)の2種類があります。
このように、ジャンコードは商品識別における重要な役割を果たし、国際的な取引や在庫管理に欠かせないツールとなっています。
QRコードとの違いは?
QRコードは、二次元コードとしても知られており、日本の企業であるデンソーウェーブによって開発されました。
JANコードに比べて、QRコードはより多くの文字やデータを格納することが可能で、情報量が豊富であることが大きな利点です。
また、QRコードはどの方向からでもスキャンでき、汚れや一部の損傷があってもある程度正確に読み取ることができます。
さらに、専用の機器がなくてもスマートフォンやタブレットで簡単に読み取れるため、キャッシュレス決済などでの利用が進み、その便利さから広く普及しています。
JANコードで商品登録するメリット
JANコードで商品登録するメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- ヒューマンエラーの防止
- 業務効率化
- データの蓄積
- 販路の拡大
それぞれのメリットについて解説していきます。
ヒューマンエラーの防止
JANコードで商品登録をすることで、商品をコードで瞬時に識別できるので、ヒューマンエラーをを防ぐことができます。
従業員が一つ一つの商品を確認し、手動で商品登録をする必要がなくなるのでミスも回避されます。
バーコードをスキャンするだけで商品情報が正確に反映されるので、商品判別時の注意も不要です。
このように、JANコードを導入することで、商品管理や仕入れ管理、棚卸作業などの業務が自動化され、日常業務でのヒューマンエラーが少なくなります。
結果として、業務の効率化や人員の最適化、さらには顧客満足度の向上と事業の拡大にもつながります。
業務効率化
JANコードで商品登録をする最も大きなメリットは、業務の効率化を大幅に向上させる点です。
JANコードであれば、商品情報が即座に読み取れるため、作業時間を大幅に短縮できます。
また、商品を素早く認識し、在庫数の管理を即座におこなうことができるので、在庫管理や仕入れの管理作業も効率よく進められます。
このように、各業務の時間が短縮され、人件費の削減にもつながります。
データの蓄積
商品をJANコードで管理すると、商品に関するデータが蓄積されるメリットが挙げられます。
データを詳細に分析することで、ターゲット層ごとの売れ筋や季節、天候に応じた仕入れの調整など、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
JANコードを活用してデータ分析をおこなうことで、売上の向上にもつながるでしょう。
販路の拡大
JANコードを使用して商品登録することで、自社の店舗にとどまらず、他のECサイトや異なる店舗への販路拡大が可能になります。
ECサイトやデパートの物産展、道の駅などで商品を販売する際には、JANコードの表示が必須です。
そのため、JANコードを導入することで、自社店舗以外での販売機会を増やすことができます。
また、ECサイトでの商品販売が実現すれば、日本全国の消費者にアクセスできるようになり、新たな顧客を大幅に増やすチャンスが生まれます。
このように、JANコードに対応することは、販路の拡大と売上の向上につながる重要なステップといえます。
JANコードの作成手順
JANコードの作成手順については、以下の5つが挙げられます。
- GS1事業者コードの登録
- 商品アイテムコードの設定
- チェックデジットの計算
- 印刷会社へ依頼
- 取引先にJANコードの通知
それぞれの項目について解説していきます。
GS1事業者コードの登録
JANコードを作成するためには、GS1事業者コードが必要になるので、最初のステップとして、GS1事業者コードの取得をおこないましょう。
JANコードの最初の数字は国別コードを示しており、日本では「45」または「49」で始まります。
その後に続く数字は、企業を識別するためのコードです。
日本国内でGS1事業者コードを取得するには、GS1Japanに対して、インターネットまたは書面で申請することが可能です。
具体的な申請方法については、以下の2つが挙げられます。
申請方法 | 内容 |
インターネットでの申請手順 | 1:GS1Japanの公式ウェブサイトにアクセスし、新規登録ページでメールアドレスを登録します。2:申請フォームに必要事項を入力します。3:登録申請料をコンビニ支払いまたは銀行振込で支払います。4:約7営業日後、「GS1事業者コード登録通知書」が普通郵便で送付されます。 |
書面での申請手順 | 1:GS1Japanのウェブサイトから「はじめてのバーコードガイド 新規登録用(登録申請書付)」を注文します。2:同封されている申請書に必要事項を記入します。3:登録申請料を郵便振込または銀行振込で支払います。4:申請書をGS1Japanに郵送します。5:約2週間後、「GS1事業者コード登録通知書」が郵送で届きます。 |
以上の手順を踏むことで、GS1事業者コードの取得が完了します。
商品アイテムコードの設定
GS1事業者コードを登録した後は、販売する商品の種類や色、内容量に応じてアイテムコードを設定する必要があります。
しかし同じ商品に異なる番号を付けたり、異なる商品に同じ番号を使用したりしないように注意が必要です。
貸与されたGS1事業者コードが9桁の場合、商品アイテムコードは「001」から「999」までの3桁で自由に設定できます。
もしGS1事業者コードが7桁であれば、商品アイテムコードは「00001」から「99999」までの5桁で設定することが可能です。
GS1Japanの推奨によると、将来の商品変更や管理において混乱を避けるために、商品や部門の分類に基づいて番号を区切るのではなく、001から順次設定する方法が望ましいとされています。
チェックデジットの計算
チェックデジットとは、バーコードの最後に位置する1桁の数字であり、GS1事業者コードと商品アイテムコードの各数字を特定の計算方法で組み合わせて求められます。
このチェックデジットは「検査数字」や「検証数字」とも呼ばれ、JANコードを入力したりスキャンしたりする際に数字の誤りを検出するために使用されます。
計算方法は少し複雑ですが、GS1 Japanが提供する計算フォームを使えば、簡単に算出することが可能です。
このフォームは、13桁の標準JANコードだけでなく、8桁の短縮JANコードにも対応しており、どちらのタイプでもスムーズにチェックデジットを求めることができます。
印刷会社へ依頼
作成したJANコードは、事業者が自分でJANシンボル(バーコード)として印刷することも可能です。
しかし、そのためにはバーコードを印刷できるプリンターや専用のソフトウェアが必要となるので、通常は印刷会社に依頼することが一般的です。
JANシンボルの印刷はJIS規格に従ったサイズや品質で行う必要があり、その規格に適合しているかどうかは、バーコード検証サービスを提供する専門の会社で確認してもらうことが重要です。
また、JANシンボルの印刷が可能な会社やバーコード検証サービスを提供している会社については、GS1Japanの公式サイトで情報を確認できます。
さらに、印刷会社によっては、チェックデジットを事前に計算しなくても、依頼すれば印刷会社側で計算してもらえる場合もありますので、あわせて確認するようにしましょう。
取引先にJANコードの通知
JANコードを作成した後は、そのJANコードのシンボルが準備でき次第、取引先に通知することが重要です。
JANコードの通知は、商品カタログや契約書、見積書などの資料に記載することでおこなうと効果的です。
取引先がJANコードを受け取ると、そのコードを自社の商品マスタに登録し、バーコードリーダーを用いて在庫管理システムなどで商品を管理することが可能になります。
JANコードを導入することで、商品の管理がより効率的になり、検品や棚卸といった作業もスムーズにおこなえるようになります。
このように、事業者と取引先の双方にとって非常に利便性の高いシステムとなります。
JANコードで商品登録する際の注意点
JANコードで商品登録する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 導入時に手間がかかる
- 初期費用がかかる
- マニュアルを作成する必要がある
それぞれの注意点について解説していきます。
導入時に手間がかかる
JANコードで商品登録する際の注意点として、ハードウェアやソフトウェアの導入、商品へのシール貼り替え作業は、単にコストがかかるだけでなく、多大な手間も必要になります。
まず、コストや業務との適合性、使いやすさ、性能などを慎重に考慮して、適切なハードウェアやソフトウェアを選定することが不可欠です。
ハードウェアやソフトウェアを導入後も、すぐに使用できるわけではなく、既存のシステムをJANコードに対応するよう再構築する必要があるので、さらなる作業が求められます。
また、店舗や営業所、倉庫などの拠点が多ければ多いほど、作業の負担は増していきます。
初期費用がかかる
JANコードを導入するには、高額な初期費用が必要です。
JANコードを使用するためには、専用のレジ、ハンディーターミナル、タブレットといったハードウェアが不可欠です。
また、JANコードを用いた在庫管理を行うには、対応するソフトウェアのライセンスを取得し、これらのハードウェアにインストールする必要があります。
これらのシステムや設備の導入は、一つの店舗だけではなく、複数の店舗や物流センター、倉庫などあらゆる拠点で必要となります。
そのため、JANコードの導入には、まとまった初期投資が伴いますので、事前にしっかりと費用を見積もっておくことが重要です。
マニュアルを作成する必要がある
JANコードの対応を行うと、従業員が行う商品管理や仕入れ業務に大幅な変更が生じるので、マニュアルを作成する必要があります。
新たな商品を仕入れる際には、JANコードの登録作業が追加されるので、商品登録作業も見直しが必要になります。
したがって、商品管理者や従業員向けに新しい作業マニュアルを作成し、その内容をしっかりと周知することが重要です。
疑問点やマニュアルの不足部分を検証し、必要に応じてマニュアルを修正し、再度周知を徹底する必要があります。
さらに、運用を続けていく中で業務フローの変更やシステムの不具合が発生することもあり得るので、マニュアルは定期的に見直し、必要な修正を加えることが求められます。
JANコードで商品登録をして作業効率を高めよう!
今回は、JANコードで商品登録するメリットやJANコードで商品登録する際の注意点を紹介しました。
JANコードで商品登録するメリットについては、ヒューマンエラーの防止、業務効率化、データの蓄積、販路の拡大などが挙げられます。
また、JANコードの作成手順については、以下の5つが挙げられます。
- GS1事業者コードの登録
- 商品アイテムコードの設定
- チェックデジットの計算
- 印刷会社へ依頼
- 取引先にJANコードの通知
今回の記事を参考にして、JANコードで商品登録をして作業効率を高めてみてください。