
まずは自己紹介をお願いします!
グラムス株式会社の取締役をしています、村上正継です。
今年40歳で、社内ではささげ事業部の統括をメインに行っています。
趣味は車とバイク。小学6年と3年の娘がいるので、休日は娘達とドライブに行ったり、一人でツーリングを楽しんだりして過ごしています。最近は忙しくて行けてないんですが、ツーリングでは和歌山方面によく行きます。
キャリアについてお聞かせください!
ちょっと私は経歴が特殊でして..。専門学校を卒業してから、トヨタの整備士をして不動産業界に転職。不動産業界では賃貸や売買、仲介など、5年間営業をしていたんですが、IT系の会社に出向。
ITの営業をしていた頃に、身内がネットショップをやるということでまた転職して。そこでEC事業に携わることになります。
ECショップの運営をされていたんですか?

そうですね。楽天、Yahoo!、Amazonと自社サイト、当時あったビッターズの5つでショップを立ち上げました。
ブランド品の並行輸入サイトを運営していて、卸の営業もしながらEC運営をしているという形です。
当時グラムスもブランド品を販売していて、商品を買ってもらうためにグラムスへ営業に来たら、ZenFotomatic(※後述)を逆に営業されてしましました(笑)
Amazonに商品を出品しようとすると、「背景が白じゃなきゃいけない」とか「画像処理に時間がかかる」というような悩みがありました。そのソリューションとして、ZenFotomaticをグラムスで開発してたんですよね。
今でもZenFotomaticを多くの企業さんに使っていただいていますが、国内第一ユーザーは僕なんです(笑)
その後、他の業界に転職したりという経緯がある中で、何度か声をかけていただいていて、9年前にグラムスに入社しました。
ZenFotomaticはどういうツールですか?

ZenFotomaticは、画像撮影をしたらワンクリックで自動編集して商品画像を作るアプリケーションです。
撮影後の画像切り抜きや白抜き、背景除去やセンタリング、色彩補正といった手動で行っていた画像編集がワンクリックで行えるようになりますので、編集時間が圧倒的に短縮できます。
大量の写真もまとめてアップロードしてワンクリックするだけ。初期費用等不要で、1枚8円と使った分だけ費用がかかるシステムなので、導入のハードルも低いですよね。
ZenFotomaticを導入していただいた企業さんでは、
平均で158%コンバージョン率がアップしています。商品の魅力を伝えられる写真がいかに重要かがわかりますよね。
グラムスでのお仕事内容を教えてください!

入社当初は営業担当の社員として、ZenFotomaticの営業兼サポートですね。EC企業さんの現場にお邪魔して使い方の説明や商品撮影のための環境構築、オペレーション改善など、ZenFotomaticを使ってくださるお客様のサポートをしていました。
そんな頃にコロナウイルスが流行し、クライアントさんから「スタッフが出社できずにEC出品ができない」というご相談をいただきまして。ささげ代行サービスを立ち上げたのは、クライアントさんに「助けてほしい」と言われたのがキッカケですね。
その後、社内で蓄積したノウハウを生かしZenFotomaticの上位互換として、SASAGE.APPを開発しました。SASAGE.APPは、撮影だけじゃなく採寸と原稿も完結できるツール。
今は「SASAGE.APPの販売」に注力しながら、「BPOとしてささげ代行サービス」の2本柱でやっています。
SASAGE.APPの特徴を教えてください!
ささげ業務の自動化・効率化

SASAGE.APPでは、モバイルアプリでささげ業務を管理します。
「撮影」では商品を撮影するだけ。画像処理をする必要がないんですよ。背景の切り抜き、リサイズ、被写体の中央配置など一括自動処理できるので誰でも商品撮影ができるようになります。
「採寸」では撮影した画像から自動採寸します。従来のようにメジャーを使った採寸は不要です!手動採寸と自動採寸の測定差は±0.5cmで誤差はほとんどありませんので、担当者によって精度やスピードにバラつきが出てしまうという悩みもなくなりますね。
「原稿」では、商品カテゴリやブランド名、表記サイズなどをSASAGE.APPが自動入力していきます。作業進捗や作業者のパフォーマンスをダッシュボードで一元管理して、業務管理の効率化できるのが特徴ですね。
カスタマイズ性が高い

モバイルアプリだとカスタマイズ性が低いのかと心配される方がいらっしゃるかもしれませんが、さまざまな手法に合わせられるようSASAGE.APPは高いカスタマイズ性を重要視しています。作業内容や手法は個社ごとに異なりますので、
そこに対応できないと意味がない。
例えば、カスタマイズ可能な項目の一部をご紹介すると…
- 撮影、採寸、原稿などの作業順序の変更
- 商品画像の仕様(画像サイズ、ファイル名命名ルール、ファイル形式など)
- 商品カテゴリ毎の採寸箇所の設定
- 各種CSVファイルのフォーマット(採寸データなど)
このように自由に調整できるため、ワークフローを現場に合わせて最適化できるのが強み。 ささげの業務時間を短縮させて生産性を向上させられれば、売上アップにも繋がっていくはずです。
ささげ代行の実績等あればお聞かせください!
ZenFotomaticは、撮影するだけで画像の切り抜きや白抜き、背景除去が1クリックでできるツールです。
ただ、せっかく導入していただいても、撮影ができないとツールを使いこなせないんですよね。
大手のEC企業さんでZenFotomaticを導入していただいていたんですが、当時は撮影ができなくて、
EC化率が伸びていかないという状態でした。そこで解決策としてBPOをご選択いただき、月に3万の出品を実現しました。
ささげ代行サービスのBPOが広がっていった大きなキッカケになったと思います。
EC業界が抱える課題はありますか?

EC業界の長年の課題といえば、人材不足でしょうね。
この慢性的な悩みを何とか解決できないかという思いから、グラムスの各サービスがスタートしています。
私がECショップの運営をしていた頃は、4人で5,000SKUを管理していて、出品登録業務や受注出荷業務など日々の業務で精一杯という状態でした。
本来EC事業者がやるべき業務ではないですよね。
新しい商品の開発や仕入れ、プロモーションなどもっと注力すべき業務があるはず!これは多くの企業が抱えている悩みだと感じています。
その課題をどう解決していきましょうか?
我々としては、ECのバックヤード業務全体にソリューション提供をしていきたいと考えています。
BPOは代行作業なので、従来だと「いかにクオリティを上げるか」「いかに早く作業をするか」くらいしかやり方がなかった。お客様の代わりに作業をするという段階から、1歩踏み出してテクノロジーで作業全体を効率化させる。
そもそも人間がやらなくてもいいよう、テクノロジーで対応していくということですね。
こういう対応ができるからこそ、価格面での競争力もある。ささげ代行の他社さんで、1,000円切る価格設定は見たことないけど、我々は440円。大げさに言っても半額という価格が可能なんですよね。
SASAGE.APPではAIを活用し、商品を撮影したら自動で採寸をしてくれます。こういった業務効率化の範囲を、出品登録や受注、問い合わせ対応などに拡張させていけるよう準備をしています。
日々のルーティン業務の負担が減れば、その分のリソースをフロント業務に注力できるようになるはずです。
グラムスの強みを教えてください!

他社さんにも似たようなサービスがありますが、我々の強味は「自ら同じ事業をしていた経験がある」ということ。
現場持ってる強味ってやっぱりあって、それに加えてシステム開発ができる知見を持ち合わせているということなんです。
業務理解があるからこそ、良き形を追求しながら本質的な伴走ができる。
あとは、スタッフの半数以上が外国人なので、国際色豊かでワールドワイドな視点があるのも強味ですね。国内の事業者にどうエンパワーメントしていけるかが課題にもなるのかな、と思います。
ワールドワイドな視点はECに必要ですか?
日本特有の文化というか、特に中小規模のECでは
「自分でやりきる」のが良しとされる風潮があります。
もちろん自分達でできるのは素晴らしいことだけど、目標はゴール達成のはず。
「そのゴール達成のためにいかにショートカットできるのか」の方が大切じゃないですか?
何を選ぶかが重要ですが、代替物に頼ったっていい。少人数でやるなら、なおさら限界があるはずなのでサービスやツールを使うべき。そうしないと成長できないですよ。
人が少なくてもできることが増えていけば、可能性が広がっていく。そのためのソリューションを提供していきたいですね。
ぱんどらとの今後の取り組みについて教えてください!
大きな目標としては、各都道府県に最低1拠点は認定倉庫を設置していくこと。各都道府県のEC拠点となるような倉庫で、ささげと物流をセットでできるようなイメージですね。
ささげ代行をしている中で、解決できていない唯一の課題が「大阪以外でささげ代行を展開していくこと」なんです。
多くの企業にささげ代行を知ってもらって、広げていきたいですね。
認定倉庫を増やしていくという考えですね?

そうです。認定倉庫でSASAGE.APPを使ってささげ業務代行を行っていければ、業界全体のスピード感が増していくはずです。我々グラムスやぱんどら社だけでなく、認定倉庫さんやEC事業者の方にとってもwin×winな関係性ができ、最終的にはエンドユーザーさんへの買い物体験の提供に繋がる。
今はファッションジャンルに限定されていますが、
「1ジャンル=1つ」というように認定倉庫を拡張させていけると理想的ですね!
倉庫が増えるとEC事業者にとってどんなメリットが?
倉庫が増えると、EC事業者の拠点事業所の近くにBPOできる拠点があるという状態になります。近年では物流コストが高騰していますので、近くに拠点があるだけで事業者の懸念がひとつ解消されますよね。
この取り組みが広がると、「BPOしたいけど物流コストがネックになっている」というEC事業者の選択肢が広がります。
ささげ代行を受ける方としても、無駄が減るんです。
人にとっても環境にとっても良い状況であるといえます。
今後実現していきたい世界観があればお聞かせください!
最終的にはEC事業者がバックヤード業務を行わなくて良い未来を目指しています。
最近では物流やささげなど一部業務をBPOするケースが増えてきましたが、出品登録、受注対応などバックヤード業務は他にもまだまだ沢山あります。
全てのバックヤード業務をBPOできるようにして、事業者さんに本当に注力すべき業務に集中していただける環境を提供したいと考えています。
具体的なイメージがあれば教えてください!
私は「ささげコンサル」って勝手に名乗ってるんですけど(笑)将来的にはバックヤード業務全体をコンサルできるようになりたいと思っています。
我々が効率的なオペレーション構築を行うことで、EC事業者さんは安心してフロント業務に注力できるようになります。
これによりエンドユーザーさんはもっといい商品を手にできるようになる。より良い買い物体験ができるようになるはずなんです。
本当に良い商品を作ってる中小のEC事業者さんは多いのに、日々の実務に追われて前に踏み出せないというお悩みが多いです。そこを解決できるように、バックヤード全体を我々が担えるようにしていけたらいいですね。
我々の仕事によって、世の中にもっと良い商品が充満していくような。そんな世界作りのお手伝いをしていけたらと思います。

本日はありがとうございました!