ECサイトを運営していくと避けて通れないのが、商品の写真撮影です。
写真の印象で「欲しい!」と思わせるためには、やはり撮影が重要です。
商品の写真撮影を外注すると「イメージ通りに撮影してくれるか」「費用がかかる」などの心配があるという方もいるかもしれません。
写真撮影を外注する際のメリットやデメリット、相場や業者選びについてお伝えします。
費用をできるだけ抑えるためのコツについてもご紹介しますので、参考になさってください。
写真撮影を外注する流れ
ECサイトなどの商品写真を撮影する作業は、外注できます。
高品質な写真を撮影したい時には、以下のような流れで外注を依頼していきましょう。
- 依頼したい内容を決める
- 撮影代行会社を決める
- 問い合わせて見積りをとる
- 正式に依頼する
「外注すれば必ず良い写真が撮れる」と過信しすぎずに、完成写真のイメージを持っておくのが重要です。
完成イメージや納期、費用に関して納得できる外注先を探していきましょう。
写真撮影を外注する前に確認しておく内容
商品の写真撮影の外注先を決める前に、社内で確認しておきたい内容があります。
社内のイメージがまとまっていない状態だと、外注しても良い写真が撮れません。
以下のような内容を、外注前に確認し共有しておきましょう。
- 重視したいポイントを決める
- 工数や時間を確認しておく
- 予算感を確認しておく
重視したいポイントを決める
外注先に何を求めるのか、どんな点を重視して外注先を決めるのかを社内で共有しておきます。
「〇〇なイメージに合う写真が撮れるか」「とにかく納期重視で写真を撮りたい」「コスト面で融通が利くか」など、重視したいポイントがあるはずです。
これらのポイントが決まっていると、外注先の選択肢が並んだ時にスムーズに決定できます。
またイメージに合う写真を求めている場合は、そのイメージがより具体的になっていると望ましいです。
工数や時間を確認しておく
外注する前に「もしこれを社内で行ったら」というシュミレーションをしてみましょう。
写真撮影はただ写真を撮るだけでなく、スタジオや機材の手配や撤収、モデルや小道具の手配、画像編集まで含まれています。
工数が増加するほど時間がかかり、社内で行うと手間がかかると予想できます。
さらに写真撮影をしていると他の業務ができなくなってしまいますので、会社の仕事に遅れが生じるかもしれません。
外注には費用がかかりますので、これらの点を考慮して、本当に依頼すべきかを検討していきます。
予算感を確認しておく
商品の写真撮影はおおよその相場がありますので、求める写真の種類や枚数でどの程度の予算が必要なのかを確認しておきます。
外注先によって予算は差がありますが、安さだけで選ぶと期待したクオリティに達しておらず追加料金を支払わなければならないというケースがあります。
外注先が決定してから撮影や画像編集に入りますので、外注先を決める段階で迷っていると納期が遅くなってしまいます。
「最終決定者は誰にするのか」という点も事前に決めておくと、スムーズです。
写真撮影を外注するメリット
写真撮影を外注すると、以下のようなメリットがあります。
- 売上を左右する写真が撮れる
- 自社で撮影するより低予算
- その他の業務に注力できる
売上を左右する写真が撮れる
写真撮影をプロに依頼する大きなメリットは、高品質な写真が仕上がるという点です。
ECサイトでは多くの商品が取引されており、写真のファーストビューは売上を左右する大きなポイントであるといっても過言ではありません。
商品の魅力を引き出す写真を何枚も撮っているプロのカメラマンに依頼すれば、素人では撮れない素晴らしい写真が撮れるでしょう。
他店に見劣りしたくないという場合は、イメージに合う写真が撮れる外注先を選びましょう。
自社で撮影するより低予算
外注すると費用がかかるのがデメリットに感じるかもしれませんが、自社で同様の写真を撮ると想定してみると意外と安上りであると気づきます。
まずは専用の機材を揃えますが、カメラだけでなくストロボや三脚も入れると費用がかさみます。
さらに撮影場所となるスタジオや画像編集ソフトも必要になります。
今後も継続的に自社で撮影をしていくのであれば機材を揃えてもいいかもしれませんが、撮影を外注した方が安上りになるといえるでしょう。
その他の業務に注力できる
ECサイトを運営していくための業務は、商品の写真撮影だけではありません。
仕入れや在庫管理、SNS運営やマーケティングといった、その他の業務もあります。
写真撮影を外注すれば、写真撮影の時間が短縮できますので、社員は他の業務に専念できるようになります。
写真撮影を外注させた方が、社内の流れがスムーズになるでしょう。
写真撮影を外注するデメリット
写真撮影を外注するメリットがある一方で、以下のようなデメリットがあります。
- 納品まで時間がかかる
- イメージと異なる写真が仕上がる
外注先は他の業務も抱えていますので、撮影申し込みから納期まで1週間~3週間ほどかかります。
自社で撮影をしていれば急ぎの撮影が可能かもしれませんが、納期を早めたい場合は追加料金がかかるかもしれません。
またイメージがうまく伝わらず、イメージと異なる写真が仕上がってしまうという失敗もあります。
最初にしっかり打合せをし、イメージのズレがないようにしておきましょう。
写真撮影の外注業者を選ぶポイント
商品撮影を請け負う外注業者はいくつかあります。
外注業者を選ぶには、以下のようなポイントがあります。
- 実績写真を確認しておく
- 料金形態は納得できるか
実績写真を確認しておく
外注先やカメラマンによって、得意な撮影技術があります。
「被写体は洋服なのか、お菓子なのか」「外出先での撮影が得意」「画像加工が優れている」など、どんな技術を持っているのかをチェックしてみましょう。
「こういう写真がいい」という具体的なイメージを正確に再現してくれる外注先を選ばなくてはいけません。
多くの外注業者では実績写真を公開していますので、確認しておくと安心です。
料金形態は納得できるか
外注先によって料金形態が異なりますので、内容を事前に確認しておかなければいけません。
撮影枚数によって料金が変わるのが一般的ですが、大量注文をすると単価が下げられる傾向があります。
ただし単価が安くてもオプション料金がかさむ場合がありますので、内容を確認しておくべきです。
商品撮影の予算相場は
商品の写真撮影を外注する際の予算相場について確認しておきましょう。
一般的に料金を決める要素は、撮影時間と編集にかかる時間です。
ここでは撮影方法による予算の相場について、お伝えします。
- 単品物撮りの予算相場
- イメージ撮影の予算相場
- 料理の盛り付け撮影の料金相場
- モデル付き撮影の料金相場
単品物撮りの予算相場
単品物撮りはプロダクトカットとも呼ばれ、1商品で3,000円~5,000円が相場となります。
シンプルな背景で撮影するもので、撮影や編集の工数が少な目なので安価な設定となっています。
依頼点数が多ければ、単価を安く交渉できる外注先も少なくありません。
単品撮りとはいえ、光のあて方や陰影で写真の仕上がりが変わってきます。
シンプルだからこそ、カメラマンの腕が問われる撮影であると覚えておきましょう。
イメージ撮影の予算相場
イメージ撮影とは、商品を引き立たせるために小物や背景を演出し、イメージで特徴を伝える撮影方法です。
単品撮りだと商品そのもののカットになりますが、イメージ撮影だとどんなシーンで利用するのかが具体的に伝えられます。
イメージ撮影の予算相場は幅が大きく、1カット5,000〜50,000円となります。
「カラーイメージで世界観を作り上げる」「光のあて方を工夫する」というような多様な要素から、イメージ写真を撮影していきます。
撮影する商品やイメージによって、予算が変動します。
料理の盛り付け撮影の料金相場
食品や料理、レシピサイトは盛り付けられた料理の写真を掲載します。
ユーザーに「レシピを真似したい」「美味しそう」と思ってもらえる写真を撮影しますので、フードスタイリストが必要になる場合があります。
フードスタイリスト込みで料金を提示している会社もあり、相場は1カット5,000〜50,000円です。
料理撮影であれば「キッチンスタジオを完備しているか」「食器や調理器具の使用は可能か」という点も外注先選びのポイントになります。
モデル付き撮影の料金相場
アパレルやアクセサリー、時計や料理を食べるシーンなど、モデルがいた方がイメージが伝わりやすい場合があります。
モデルは全身撮影だけでなく、例えばハンドモデルやフットモデルといったパーツモデルというジャンルがあります。
マネキンを使用した撮影もできますが、モデルが着用した方がイメージが伝わりやすいだけでなく、モデルの年齢で対象年齢を伝えるという効果もあります。
モデル付きでの商品撮影料金の相場は、1カット2,000〜20,000円となり、起用モデルによって料金が異なります。
写真撮影の外注費用を抑えるコツ
質の高い商品写真を撮影するには費用がかかります。
そんな中でも仕上がりを妥協せず、費用を抑えるには以下のようなコツがあります。
- 撮影スタジオ代がかからない会社に依頼する
- 出張撮影にしない
- 依頼点数を多くする
- 写真のスタイルをシンプルなものに
- アマチュアカメラマンに依頼する
撮影スタジオ代がかからない会社に依頼する
商品撮影を専門にしている業者は、スタジオを保有しているケースが少なくありません。
撮影スタジオ代が別途かかるようだと、予算感が変わってくるので注意しましょう。
撮影スタジオ料金がかからない外注先を選ぶと、スタジオ代の心配が不要になります。
またスタジオを保有していると、追加などの要望にも柔軟に応じてくれるというメリットがあります。
出張撮影にしない
「撮影スタジオ代を浮かせたい」という理由で出張撮影にすると、出張代がかかってしまいます。
写真を撮影するためには、カメラマンだけでなく機材の運搬や設置、撤去やスタッフの移動代金がかかります。
撮影スタジオを保有している外注先を選び、撮影する商品は持ち込みか宅配にすると、費用を抑えられます。
依頼点数を多くする
商品1点1点で依頼するよりも、まとめて依頼点数を多くすると単価が下げられます。
ただしコストダウンが目的であれば、1点1点の撮影方式にこだわると期待した成果が得られません。
依頼点数を多くすると、まとめて撮影できるからこそコストダウンが可能です。
単色背景で一括撮影ができるような単品物撮りであれば、依頼点数を多くするとコストカットになるでしょう。
写真のスタイルをシンプルなものに
商品をよりよく撮影するためには、写真にもこだわるべきかもしれません。
しかし全ての商品で照明やセッティング、編集にたっぷりと時間をかけていると、時間も費用もかかります。
追加機材や作業が必要な撮影は必要最低限とし、シンプルなスタイルにすると外注費用を抑えられます。
目玉になるような特別な商品を絞って撮影すると、撮影時間や費用の無駄がありません。
アマチュアカメラマンに依頼する
商品写真の撮影をしている会社だけでなく、フリーのカメラマンに依頼するという選択肢もあります。
フリーカメラマンでもプロカメラマン、アマチュアカメラマンがおり、費用の相談をしたいのであればアマチュアカメラマンを検討してみましょう。
アマチュアであってもブランドイメージに合う写真が撮影できる人ならば、良い写真を納品してくれます。
ポートフォリオなどで実績をチェックして、写真のイメージを確認しておきましょう。
フリーなので、費用だけでなく撮影方法や納期についても柔軟に対応してくれる可能性があります。
商品の写真撮影は外注で
ECサイトの商品撮影は、高品質な写真を撮影してくれる外注先を選びましょう。
自社で行うと初期投資が必要なのでハードルが高いですし、社員が行うには負担が大きくなるためです。
ECサイトでは、写真1枚の印象が売上を左右するといっても過言ではありません。
ただ商品写真が並んでいれば良いというわけではなく、特徴を瞬間的に伝えられる魅力的な1枚を掲載しておくべきです。
商品数やブランドイメージに合わせて、高品質な写真を撮ってくれる業者を選びましょう。
参考にしたサイトリスト