アパレル商品撮影のスタイルについて知りたいと悩んでいませんか?
この記事では「アパレル商品撮影のスタイル」について紹介します。
他にも「アパレル商品撮影に必要なもの」や「アパレル商品の撮影方法」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、アパレル商品撮影について理解を深めてみてください。
アパレル商品撮影のスタイル
アパレル商品撮影のスタイルについては、以下の5つが挙げられます。
- 平置き
- ハンガー
- 細部拡大
- モデル着用
- マネキン・トルソー
それぞれのスタイルについて解説していきます。
平置き
平置きとは、洋服をテーブルや床のような平らな場所に置いてアパレル商品を撮影する方法を指します。
平置きでアパレル商品を撮影すると、その商品の形状がより明確に映し出されます。
例えば、Tシャツやフレアパンツなどは、マネキンやモデルに着せると、裾や脇の部分が自然な形状を保てず、本来のシルエットが見えにくくなることがあります。
衣類の特徴的な形を強調したい場合には、平置きが最適です。
また、メッセージ入りのTシャツなど、特定のデザインを目立たせたい場合にも、平置きが向いています。
プリント柄のブラウスや模様が特徴的なアウターも、マネキンやモデルを使うと全体のデザインがわかりづらくなることがあるので注意が必要です。
細かいデザインや形状をしっかり見せたいときには、平置きでの撮影を選ぶと良いでしょう。
ハンガー
アパレル商品を撮影する際には、ハンガーを使う方法もおすすめです。
洋服を台の上に平置きして撮影する場合、上からカメラを向ける形になるため、服に影ができてしまうことがあります。
一方、ハンガーを使えば、カメラを正面から向けて撮影することができるので、太陽の光の位置を確認するだけで影を避けることが可能です。
しかし、ボトムスを撮影する場合、ボトムス用のハンガーはクリップで衣類を挟むので、ウエスト部分が綺麗に見えないことがあるので少し注意が必要です。
また、使用するハンガーの種類にも気を配る必要があり、クリーニング店で使われるような薄いハンガーだと、袖や脇の部分にしわができやすく、服の見た目が悪くなってしまいます。
洋服を立体的に見せるためには、厚みのあるハンガーを選ぶことをおすすめします。
細部拡大
ロゴやポケット、縫製などの細かなディテールをしっかりと伝えたい場合は、それらの部分を拡大して撮影する方法がおすすめです。
また、生地の質感を強調したい場合にも、細部をクローズアップした写真が役立ちます。
ECサイトに掲載するアパレル商品を撮影する際には、「ユーザーが安心して商品を購入できること」を第一に考える必要があります。
例えば、高級ブランドのアパレル商品を扱う場合、「ブランドが本物であるかどうか」という不安に対して、ブランドのロゴをクローズアップで撮影し、ユーザーが安心して購入できるように配慮することが重要です。
また、素材に特徴がある商品では、生地のクローズアップ写真や洗濯表示タグの写真などを掲載することで、ユーザーの不安を和らげることができます。
モデル着用
アパレル商品は実際に人が着用することで、その魅力がより一層引き立つようにデザインされているので、モデル着用の商品撮影はより魅力的に見せることができます。
モデルが服を着ることで、服自体の美しさやスタイルが際立ち、消費者にとっても実際に着用したときのイメージを抱きやすくなります。
実際に、商品の魅力をより効果的に伝えるためには、モデル着用の写真が有効です。
また、モデルを選ぶ際には、知名度よりもブランドが伝えたい世界観や雰囲気に合致しているかどうかが重要です。
服はモデルの個性や雰囲気によって、さまざまなスタイルに見えるので、ブランドのメッセージをしっかりと伝えられるモデルを選ぶことが大切です。
しかし、予算が限られている場合には、プロのモデルを起用しなくても、優れたアパレル商品を撮ることは可能です。
このように、予算やニーズに合わせて柔軟に対応することで、効果的なアパレル写真を作るのにつながります。
マネキン・トルソー
マネキンやトルソーに服を着せて撮影する手法は、ECサイトで商品の見栄えを良くするための効果的な方法の一つです。
購入者は衣類を実際に着たときのイメージを持ちやすくなり、購入意欲が高まる可能性があります。
また、服のシルエットやデザインをより鮮明に伝えることができるので、特に立体的なカッティングが特徴のジャケットやドレス、スーツなどには最適です。
アパレル商品撮影に必要なもの
アパレル商品撮影に必要なものについては、以下の6つが挙げられます。
- カメラ
- 三脚
- 照明
- 背景
- レフ板・ディフューザー
- アイロン(スチーマー)
それぞれの項目について解説していきます。
カメラ
カメラ機能が優れていれば、スマートフォンでも十分アパレル商品の撮影は可能です。
実際に、最近のコンパクトデジタルカメラやスマートフォンには「ポートレートモード」や「マクロ撮影モード」などの撮影モードが備わっており、絞りや露出時間の設定を意識せずとも、バランスの取れた美しい写真が簡単に撮れます。
普段からカメラの操作に慣れていない方でも、綺麗にアパレル商品を撮影することが可能です。
三脚
三脚を使用することによって、手ブレを防ぎ、より鮮明な写真を撮影することにつながります。
ECサイトやカタログに掲載するアパレル写真では、画像の鮮明さが非常に重要です。
ぼやけた写真では商品の細かい部分や色味が正確に伝わらず、結果として購入意欲が下がる可能性があります。
また、ECサイトに掲載する写真には統一感も大切になるので、三脚を使用して、カメラと被写体の距離を一定に保つようにすることも重要です。
照明
自然光が多く入っている場所で撮影をおこなう場合、通常は追加の照明が必要ありません。
しかし、光の量が不足していたり、影が気になる場合には、ストロボなどの補助照明を用意するようにしましょう。
また、光量が十分かどうかを判断する際には、目視だけでなく、実際に試し撮りを行って確認することが重要です。
肉眼では明るく見えていても、写真にすると予想以上に暗く写ることがあるので注意が必要です。
背景
アパレル商品を撮影する際には、白い背景を用意するのがおすすめです。
壁を背景に使用することも可能ですが、壁紙のつなぎ目が目立っていたり、全体的に汚れが目立っているとアパレル撮影には適していません。
写真に変化を持たせたい場合は、カラー背景を用意するのも一つの手です。
コンクリート柄やマーブル柄など、さまざまな模様の背景があるので、撮影したい雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。
レフ板・ディフューザー
光が均等に当たらないと、商品の凹凸によって影が生じ、写真全体が暗くなることがあるので、光を均一に当てるために、レフ板を使うようにしましょう。
一方で、光が強すぎると商品の本来の色を再現できず、写真が白飛びする可能性があります。
また、強い光は商品と影のコントラストを強調しすぎて、商品の印象が薄くなることも考えられます。
光を柔らかくするために、ディフューザーの使用がおすすめです。
アイロン(スチーマー)
アパレル商品のしわを取るために、アイロンやスチーマーを常備しておくことをおすすめします。
実際に、どんなに気をつけて管理していても、洋服にしわがついてしまうことは避けられません。
特にスチームアイロンは便利で、アイロン台を使わずに手軽にしわを伸ばすことができます。
また、スチームを使うため、アイロンを直接生地に当てる必要がなく、生地を傷めるリスクも減らすことができます。
アパレル商品の撮影方法
アパレル商品の撮影方法については、以下の5つが挙げられます。
- アパレル商品の準備をする
- 撮影場所を決める
- カメラの設定をおこなう
- アパレル商品の撮影をする
- 写真の編集をする
それぞれの項目について解説していきます。
アパレル商品の準備をする
アパレル商品を撮影する際には、シワ、ホコリ、毛玉、ほつれなどの細かい部分に十分注意しましょう。
小さなディテールが写真のクオリティに大きく影響するので、各アイテムを徹底的にチェックし、ホコリ取りローラーで丁寧に掃除しておきましょう。
準備が整うまでは、作業スペースから離れたラックに服を掛けて保管しておくのがおすすめです。
Photoshopやその他の写真編集ソフトを使用すれば、シミやホコリなどを消すことができますが、過度の編集は画像の品質を損なう可能性があります。
そのため、最初から可能な限り完璧な状態の服を撮影し、Photoshopはあくまで最小限の仕上げや色の調整に留めるようにしましょう。
撮影場所を決める
次に、撮影の日程と場所を決めましょう。
アパレル商品の撮影は、自然光があれば基本的どこでも撮影が可能ですが、撮影する時間帯と太陽の位置は非常に重要です。
特に夕方やその少し前の時間帯には温かみのある光が得られ、夕暮れや日没直後の時間帯には涼しげで落ち着いた色合いの写真が撮れます。
しかし、高い建物や密集した木々がある場所では、光の入り方が制限されることがあるので、その点も考慮するようにしましょう。
カメラの設定をおこなう
スマートフォンを使う際は、カメラアプリの設定から露出やフォーカスを細かく調整することが可能です。
一方、DSLRやミラーレスカメラの大きなメリットは、マニュアルモードや絞り優先モードを搭載しているため、撮影時の設定を自由にコントロールできることです。
特にマニュアルモードでは、絞り、フォーカス、シャッタースピードを調整することで、理想的な写真を撮影することができます。
そのため、商品を撮影する前には、以下にて紹介する「ホワイトバランス」「ISO感度」「絞り」をしっかり理解しておくことが重要です。
ホワイトバランス
ホワイトバランスを調整すると、カメラが白色をどのように認識するかを調整することが可能になります。
ブルーやオレンジのフィルターを通して撮られたように見える写真は、おそらくホワイトバランスの設定が適切でなかったために起きた現象です。
光源ごとに色温度が異なるため、写真に「色かぶり」が発生し、カメラが本来の白色を正しく判断するのが難しくなったのが原因といえます。
このように、ホワイトバランスをしっかりと調整することによって、鮮明な写真を撮ることにもつながります。
ISO感度
ISO感度とは、デジタルカメラやフィルムカメラにおいて、イメージセンサーやフィルムが光に対してどれだけ敏感かを示す指標です。ISO感度の数値が高いほど、センサーやフィルムが光に対して敏感であり、暗い場所でも写真を撮影しやすくなります。
ISO感度は640以下に設定するようにしましょう。
ISO感度を高くしてしまうと、画面にグレーや色付きの斑点のようなノイズが現れやすくなり、古い映画のような質感になりがちです。
しかし、三脚を使うことでISO感度を100から200の範囲に保つことができ、これによって画像の透明感とシャープネスを高めることができます。
絞り
カメラの設定で見かける「f」の付いた数値は、レンズの「絞り」を指し、これにより写真のフォーカス範囲が決まります。
絞り値が大きいほど、ピントが合う範囲が広がり、画像全体がより鮮明になります。
特に商品全体をはっきりと写したい場合は、f/11以上の絞り値に設定すると効果的です。
アパレル商品の撮影をする
アパレル商品の撮影をする際には、カメラをしっかりと三脚に取り付けて、手ブレを防ぎましょう。
カメラの設定をお好みのモードに合わせて撮影を開始します。
ピント合わせは、レンズを使って手動で調整するか、シャッターボタンを半押ししてオートフォーカス機能を活用することも可能です。
各アパレル商品の撮影をする際は、複数の角度から撮影するよう心掛けてください。
服の場合、異なる視点から撮影したり、アイテムを回転させて、クローズアップショットを追加するのも効果的です。
生地の質感やアイテムの全ての面を見せることで、顧客が購入を検討する際の不安を軽減させることにもつながります。
写真の編集をする
最後に、以下のように写真の編集をおこないます。
- 背景に不要な要素や気になるオブジェクトを取り除くための背景修正
- 実際の色をより忠実に表現するための色調整
- 写真をスタイリッシュに見せるためにフィルターを使用
- 光のバランスを整えるための露出の調整
- 写真の構図を最適化するためのトリミング
- ソーシャルメディアでの使用を考慮した画像のサイズ変更
上記の編集作業をおこなうことで、写真はより洗練され、多くのユーザーにアパレル商品の魅力を伝えることができます。
魅力的なアパレル商品の写真を撮ろう!
今回は、アパレル商品撮影のスタイルやアパレル商品の撮影に必要なものを紹介しました。
アパレル商品撮影のスタイルについては、以下の5つが挙げられます。
- 平置き
- ハンガー
- 細部拡大
- モデル着用
- マネキン・トルソー
また、アパレル商品の撮影方法を把握しておくことで、スムーズにアパレル商品を撮影することにもつながります。
今回の記事を参考にして、魅力的なアパレル商品の写真を撮ってみてください。
※参考サイト