SKUとは、在庫管理の分野で一般的に使用されており、在庫管理における最小の品目数を数えるための単位のことです。
効果的な在庫管理では、SKUごとに個別に管理することが基本的な方法となっています。
本記事では「SKUとは?」について紹介します。
他にも「SKUの単位の数え方」や「SKUのメリット・デメリット」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、SKUについて理解を深めてみてください。
SKUとは?
SKUは「Stock Keeping Unit」の略称で、在庫管理における商品を識別するための最小単位です。
SKUを使うことによって、同じ商品でもカラーやサイズ、パッケージ形態、消費期限などの違いに基づいて細かく分類することが可能です。
日常的には、多くの人が同一商品であってもカラーやサイズの違いを「種類」として区別していますが、在庫管理においてはこれを単に「種類」とするだけでは選別ミスにつながってしまいます。
実際に、どのバリエーションの商品を指しているのかが不明確になり、在庫管理での誤りを招くケースも少なくありません。
そのため、小売業や物流業界では、商品の過不足を避け、正確に在庫状況を把握するために、SKU単位で商品を管理することが求められます。
店舗とは異なり、顧客が実際に商品を手に取ることができない通販サイトでは、特に受発注の間違いや配送ミスを避けるためにSKUによる厳密な管理が不可欠です。
SKU単位の数え方
SKUは、5SKUや10SKUのように数字で表現され、商品の管理をおこなう際に最も細かく分類された単位として機能します。
例えば、この企業が「ホワイト・ブラック・グレー・ネイビーの4色展開」かつ「S・M・Lの3サイズ展開」のTシャツを扱っている場合、SKUの計算は「1商品×4色×3サイズ」で、合計「12SKU」となります。
また、ネイビー色が期間限定で販売され、その期間が終了したとすると、その後は「9SKU」として管理されることになります。
SKUの数は、取り扱う商品や業界の特性によって大きく異なります。
このように、SKUは業種ごとの在庫管理の複雑さを反映する重要な指標となっています。
SKUを使うメリット
SKUを使うメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 在庫管理がスムーズになる
- 受発注業務の手間が大幅に削減できる
- 幅広い商品を扱いやすくなる
それぞれのメリットについて解説していきます。
在庫管理がスムーズになる
在庫をSKUごとに管理することによって、効率的かつ正確な在庫管理と受発注が可能になります。
実際に、アパレルや雑貨業界では、商品の色やサイズが多岐にわたることが一般的です。
同じデザインの商品でも、サイズや色が異なると「別のアイテム」として扱う必要があるので、それぞれの在庫状況を正確に把握することが重要です。
SKUでの管理を導入すれば、「このブランドの特定の色やサイズの商品はどのくらい在庫があるか」といった詳細な確認作業が不要になります。
このように、リアルタイムで在庫情報を把握できるので、顧客のリクエストにも迅速に対応することが可能となります。
受発注業務の手間が大幅に削減できる
商品をSKUごとに登録・管理することで、受発注業務の効率化が期待できます。
例えば、「男性用半袖TシャツLサイズ、女性用Mサイズ、子供用90サイズ2枚」といった詳細な発注方法は、発注する側も受注する側も手間がかかり、ミスの原因になりがちです。
しかし、固有の登録番号やJANコードなどのSKUで商品を管理していれば、必要な商品コードと数量を指定するだけで正確に発注が可能です。
これにより、発注ミスのリスクを減らし、作業負担も軽減できるので、他の業務に充てる時間が増えるというメリットがあります。
幅広い商品を扱いやすくなる
SKUを使うことによって、幅広い商品を扱いやすくなるメリットが挙げられます。
実際に、多様な商品を扱う際に、それぞれの色や特徴、名前で区別しようとすると非常に労力がかかってしまいます。
しかし、SKUを活用することで、商品が増えてもスムーズに管理でき、混乱を避けることが可能です。
商品ラインナップが広がり、業務の効率や正確性が向上することで、結果的に顧客満足度が向上し、売上の増加やビジネスの成長が期待できます。
SKUを使うデメリット
SKUを使うデメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- コストがかかる
- 管理方法が難しい
それぞれのデメリットについて解説していきます。
コストがかかる
SKUを現場で効果的に運用するには、専用の管理システムやバーコードリーダーなどの機器への初期投資が必要です。
小規模な個人商店ではSKUを使用せず、手作業で管理できる範囲まで商品数までに抑えているオーナーも少なくありません。
また、SKU管理には人件費や教育費といった追加のコストも発生します。
SKUを活用することで、商品分類や棚割り、販売促進の展開などが効率的におこなえるようになりますが、そのためには一定のスキルと経験が求められます。
このように、SKUを使用するには、バーコードリーダーや在庫管理ソフトの導入・運用、人件費などの費用がかかってしまうので、小規模店舗にとっては大きな負担となってしまいます。
管理方法が難しい
SKUを効果的に活用するためには、商品を効率よく仕分けし、適切に陳列する作業や商品を迅速に回転させるための営業活動など、多岐にわたるスキルと実務経験が求められます。
実際に、導入初期の段階では、従来の管理方法のほうがスムーズに感じる方も少なくありません。
しかし、運用を重ねるにつれて、SKUの利点を最大限に引き出すことが可能です。
ただし、こうした利点を実感できるまでには時間がかかることもあるので、デメリットとして認識しておくことも重要です。
ケース別SKUの考え方
ケース別SKUの考え方については、以下の3つが挙げられます。
- 内容量が異なるケース
- セットと単品での販売があるケース
- パッケージだけが異なるケース
それぞれのケースについて解説していきます。
内容量が異なるケース
同一商品であっても、内容量が異なる場合は在庫管理を正確におこなうために、異なるSKUコードを設定するようにしましょう。
例えば、食品・飲料や化粧品などは、同じ商品でもさまざまなサイズで販売されることが一般的です。
そのため、すべての商品を同一のSKUにしてしまうと、異なる容量の商品を誤って顧客に送ってしまうリスクがあります。
また、内容量が異なれば価格も変わるのはもちろん、間違った容量の商品が届けられると、顧客からのクレームが発生する可能性も高くなります。
このように、SKUコードを異なる内容量ごとに設定し、しっかりと管理するようにしましょう。
セットと単品での販売があるケース
商品をセットで販売する場合と単品で販売する場合には、それぞれ異なるSKUコードを設定することが重要です。
同じSKUコードを使用してしまうと、ピッキングをおこなう従業員が単品販売と誤認してケースを開けてしまう可能性や顧客が異なる数量の商品を受け取ってしまうリスクがあります。
このようなミスを防ぐためにも、単品とセット販売の商品には別々のSKUコードを割り当てるようにしましょう。
また、商品個数が一目でわかるコードにすることもミスを減らすのに効果的です。
パッケージだけが異なるケース
商品の内容が同じでパッケージだけが異なる場合、SKUコードの設定は状況に応じて異なる設定が求められます。
例えば、パッケージデザインが新しくなる場合は、通常は既存のSKUコードをそのまま使用します。
先入れ先出しの原則に従えば、旧パッケージの商品が先に出荷されるので、特に新たなSKUを設定する必要はありません。
しかし、特定の期間限定でコラボデザインのパッケージが登場する場合は、新しいSKUコードを割り当てるのが一般的です。
顧客の中には、その特別なパッケージを求めて商品を購入する人もいるので、標準パッケージと同じ商品識別コードがメーカーから付与されていたとしても、別のSKUコードを使用して管理することがおすすめです。
SKUを設定する際のポイント
SKUを設定する際のポイントを把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
具体的なSKUを設定する際のポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- 8桁か13桁で設定する
- コード先頭を0にしない
- 小文字か大文字に統一する
- 重複して登録しない
それぞれのポイントについて解説していきます。
8桁か13桁で設定する
SKUを設定する際のポイントとして、8桁か13桁で設定するようにしましょう。
SKUコードの桁数が長すぎると視認性が悪くなり、在庫管理システムへの入力も手間が増えます。
逆に桁数が少なすぎると、取り扱う商品数が増えた際に細かく分類することが難しくなります。
そのため、商品識別コードは、8桁の短縮版または13桁の通常版で統一するのが効果的です。
また、SKUコードの桁数を統一し、連番で管理することで、Excelなどの表計算ソフトを使用してカテゴリごとの在庫を簡単に管理できるようになります。
コード先頭を0にしない
SKUコードを作成する際に、重複を防ぐために数字を使用することは有効ですが、コードの先頭に「0」を配置するのは避けるようにしましょう。
認証システムでそのコードが正しく認識されなかったり、表計算ソフトで先頭の0が自動的に削除されてしまうことがあるからです。
例えば、「01234」と「1234」は異なるSKUとして設定がされていても、先頭の「0」をバーコードリーダーが正しく読み取れずに、在庫管理システムや注文システムにおいて重大なエラーを引き起こすことがあります。
このように、SKUコードを設計する際には、この点を考慮して「0」を先頭に使わないようにすることが推奨されます。
小文字か大文字に統一する
SKUを設定する際には、読み込みエラーや作業効率を向上させるためにも、小文字か大文字に統一するようにしましょう。
例えば、「XYZ-abc-DF」や「xyz-ABC-df」といったSKUコードは、間違えて読み込んでしまい正しい在庫管理ができなくなってしまうリスクがあります。
実際に、多くのシステムでは、大文字と小文字を区別せず、同じコードとして処理されることが一般的です。
しかし、大文字と小文字を区別するシステムも存在しますが、SKUコードにおいて大文字と小文字を使い分けるのはリスクが高いといえます。
そのため、SKUコードは、大文字か小文字のいずれかに統一することによって、目視での確認ミスを減らし、作業効率を向上させる効果も期待できます。
重複して登録しない
SKUを設定する際にもっとも重要なポイントは、重複して登録しないことです。
SKUコードは、商品が増えても管理しやすいように一定の規則性を持たせることが求められます。
しかし、あまりにも単純なコードにしてしまうと、同じコードが繰り返される可能性が高くなってしまうので注意が必要です。
SKUコードの重複を見過ごしてしまうと、誤った商品が発送されたり、在庫の誤管理といった問題が発生する可能性があります。
そのため、今後の商品の増加を見越して、アルファベットと数字を組み合わせるなど、重複を防ぐ工夫をすることが大切です。
SKUを活用して業務効率化を目指そう!
今回は、SKUの単位の数え方やSKUを使うメリット・デメリットを紹介しました。
SKUは、在庫管理における商品を識別するための最小単位のことで、5SKUや10SKUのように数字で表現され、商品の管理をおこなう際に細かく分類された単位として機能します。
また、SKUを使うメリットとして、在庫管理がスムーズになる、受発注業務の手間が大幅に削減できる、幅広い商品を扱いやすくなるなどが挙げられます。
今回の記事を参考にして、SKUを活用して業務効率化を目指してみてください。
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